インタビュー

移住者ストーリー Vol.5 (後編)

佐島移住の先輩
古民家ゲストハウス汐見の家 管理人 富田桂子(とみた・けいこ)さん
江(ごう)くん、心(こころ)ちゃん

 

人と人とが混じり合う場所

ゲストハウスは世界中からゲストが訪れます。各国の滞在経験があり簡単な英語が話せる桂子さんにはぴったりの仕事です。この日は中国系ニュージーランド人のナンシーさんが、2週間程度の滞在中でした。昼の落ち着いている時間、桂子さんとナンシーさんは炬燵を挟んでおしゃべり。ナンシーさんに桂子さんについて聞いてみると、「とても優しい! 汐見の家も静かで気に入っています。」と、快適な滞在を送れている様子でした。

 

 

汐見の家の魅力は、まさに「佐島の日常にお邪魔するような滞在ができる」こと。例えば、桂子さんは子どもたちの送り迎えにゲストと一緒に行ったり、買い物を一緒にしたりします。こうしてゲストは島の住人の目線で島の日常を体験するのです。でもこれらのことは桂子さんたちが宿のサービスで行っているものではなく、自分たちの暮らしをあえて意識的に見せているというわけでもありません。桂子さんの自分の暮らしの中に汐見の家があり、仕事とプライベートが隣り合っています。そんな自然体の桂子さんたちの暮らしを少し垣間見る──それがゲストに心地よく映るのでしょう。そして、見ず知らずのゲスト同士も、いつしか仲良くなっているのです。

 

 

ゲストの中には、冒頭に紹介したように汐見の家に滞在したのがきっかけで佐島に移住した人が10人ほどいます。みな口を揃えて言うのが、佐島の人のあたたかさ。人口およそ500人の小さなコミュニティのなかで、お互いを思いやりながら暮らしている、そんな空気感があります。桂子さんや子どもたちも佐島に暮らし始めて以降、島のお母さんたちの思いやりの中で生きてきたと言っていいかもしれません。

 

 

子供たちと一緒に成長

さて、子どもたちは現在弓削小学校に通っています。こちらに移住してきたのは、江くんが3歳、心ちゃんが2歳のときでした。こちらに来るまで江くんは、図鑑に描かれているカニの絵も触れないほどだったといいます。しかし今ではすっかり生きもの好きに。島では5月から6月ごろ、路上を小さなカニがたくさん歩いています。近所のおじさんにそのつかみ方を教えてもらい、いまでは簡単に捕まえられるようになりました。佐島の若い農家・青木俊樹さんにエンドウ豆の収穫をさせてもらい、地域で捕らえられたイノシシの解体もしっかりと見学しました。「私では教えられないようなことを、地域の方に教わっています。私の学びもとても多いんですよ」と桂子さん。

 

 

しなやかで優しいおばあちゃんに

江くんと心ちゃんは所属している弓削サッカーチームの練習に週1回通っています。練習時間は18時から19時半までの1時間半。子どもたちが練習に行っている間、桂子さんがいま楽しんでいるのは石鹸づくり。弓削島に住む壬生優子さんの自宅で行う石鹸づくりは本格的でさながら化学実験のようです。優子さんも移住仲間で、このサークルはその名も「Bubble Club」。メンバーは、先ほどのナンシーさんも加えて4人です。石鹸にはその時々の感覚でエッセンスオイルや柑橘の皮を擦ったものを入れ、オリジナルの石鹸をつくっていきます。桂子さんは「たまにこうした趣味のサークル活動でリフレッシュしています」と笑います。

 

  

桂子さんの「これから」について、展望を聞いてみました。「島では楽しく、平和で健康な暮らしをしていきたいですね。都会のような便利さはないけれど、それが逆にいい。便利って自分勝手な感じがするんです。丁寧に、不便を楽しんで生きていきたい。それから、ずっと未来には、いま私がお世話になっている島の女性たちのようなしなやかで優しいおばあちゃんになりたいです。」

 

 

[移住メモ]

佐島は人口およそ500人。柑橘類栽培が中心の農業の島で、周辺の島々に働きに出ている人も多くいます。島内の宮ノ浦(みやんな)には毎年愛媛大学の考古学チームが調査に入っており、これまでに古墳時代から中世の製塩活動を示す遺物が発掘されています。

[参考リンク]

古民家ゲストハウス汐見の家 http://shiomihouse.com

バブルクラブ https://yugeshima.com/?page_id=14447

 

Text & Photo: Shuhei Miyahata [Setouchi Editorial Institute]

 

フォトギャラリー

上島町の関連するかもしれない情報

空き家
# 105 1階に元店舗スペースあり。駐車場も広々。 @弓削・下弓削

2022年06月22日

空き家
# 23 改修・DIY可能物件 @生名島

2022年06月17日

空き家
# 104 生名島・空き地

2022年06月15日

【7/3】家族で移住を考えている皆さんへ、高校の進路先を考えているお子さんへ、かみじまで島暮らしを考えてみませんか?
6月12日(日)「愛あるえひめ暮らしフェアin大阪」参加します!

上島町でいま話題タグ