インタビュー

移住者ストーリー Vol.2 (前編)

魚島移住の先輩
愛媛県漁業協同組合 魚島支所長 塩見尚徳(しおみ・なおのり)さん
魚島診療所 看護師 塩見亜希子(しおみ・あきこ)さん
塩見芽依(しおみ・めい)ちゃん

 

漁師の島へ

魚島で暮らす塩見さん一家に会うため、上島町の各島にアクセスする拠点となる因島土生港から高速船「ニューうおしま2」に乗り込みました。そこから魚島へは約1時間の船旅。船の窓に瀬戸内海の燧灘(ひうちなだ)の広大な景色が流れていきます。海と空の中に島々の影が美しいグラデーションを描きながら浮かび、ときおり漁師の船や巨大なタンカーが行き交うのが見えました。朝9時ごろ魚島港に到着すると、程なく2隻の漁船が港に帰ってきました。

 

 

鯛やカワハギ(瀬戸内では「ハゲ」という)、大きなハマチが素早く水揚げされ、漁師さんや漁協の職員さんが慣れた手つきで「活け締め」が進められていきます。

 

 

エラの奥に鋭い刃を差し込んで魚の動きを止め、血抜きをすることで魚の鮮度を保つ大切な作業です。魚島ではみんなで行うこの作業を「だんべ」と呼んでいます。このあと魚は漁協と契約している大手回転寿司チェーンに一括で買い取られ、全国の店舗で消費者の口に入ることになります。

 

 

その中に漁協の支所長、塩見尚徳さんの姿がありました。商品は鮮度が命。塩見さんは大きな容器に氷水を用意し、活け締めされた魚たちを手早くその中に入れていきます。活け締めが終わると次に魚の重量を計測して記録し、発泡スチロールのトロ箱に氷とともに魚を箱詰め。このとき測った重さで買取価格が決まるので、先方への信用面も含めて正確性が非常に大切。塩見さんの顔も真剣です。

 

 

漁師の仕事を陰で支える

塩見尚徳さんは1975年上島町弓削島生まれ。弓削高校を卒業後、進学のため岡山へ。自動車整備の仕事に就き岡山と福山で整備工場勤務した後、魚島に当時いた知人から声がかかり2016年魚島村漁協(当時)へ移りました。折しも愛媛県内各地の漁協が大規模に合併するという時期で、魚島村漁協も2020年4月それに合流。塩見さんは現在支所長を務めています。

 

 

漁協の仕事は朝のだんべだけでなく、漁獲高管理、融資、燃料販売など多岐に渡ります。「僕は漁師さんをサポートする立場。漁師さんが大漁だったり売り上げが多かったりして喜んでくれると僕も嬉しいですね。仕事はきついことも多いけれど、やりがいはかなりあると感じています。」

 

―移住者ストーリー Vol.2(後編)につづく

 

[移住メモ]

魚島は人口およそ150人の小さなコミュニティです。周辺海域は古くから好漁場として知られています。主要産業はもちろん漁業。島の地域文化や仕事を次の世代へつなぐ人材が求められています。

[参考リンク]

愛媛県漁業協同組合 http://www.ehimegyoren.or.jp

 

Text & Photo: Shuhei Miyahata [Setouchi Editorial Institute]

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